北区春季大会1部 1回戦(前編)

query_builder 2025/06/06
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昨年の秋季大会では1部昇格を決めた後、決勝戦でビーゾーン相手に4-3でサヨナラ勝ちを収め、2部優勝を達成しました。そして迎えた今季は年始から藤田選手、塚本選手ら打線が好調な一方、似内選手が姫路イーグレッターズ(さわかみ関西独立リーグ)でプレーすることになり、さらには陽岡選手が転勤、小瀬澤選手が就職のためチームを離脱となりました。打線の主軸は健在ではあるものの、そこに向けてどうチャンスメイクをするのかという課題を抱えながらの1部デビューとなります。  


その対戦相手は、またしてもビーゾーン。これまでは1部昇格を懸けた準決勝、2部優勝を懸けた決勝での顔合わせであり、ブルーウィングスにとって常に分岐点で出会うライバルという存在です。 ブルーウィングスの先攻で開始となった試合は、早速先頭の木下選手が死球で出塁。続く2番藤津選手は見逃し三振となりますが、この投球で木下選手が盗塁成功し2塁へ進塁します。さらに、3番塚本選手の打席でも3球目に3塁へスタートを切ると、ここで相手捕手が悪送球。ボールが外野に逸れる間に木下選手は楽々ホームイン。幸先よく先制します。

その後塚本選手は冷静にボールを見極め四球を選ぶと、4番の藤田選手は左翼への安打で繋ぎ1死1,2塁となります。このチャンスで5番の鳩山選手の打球は三塁へのゴロとなり2塁がフォースアウトとなりますが、併殺を狙った相手二塁手の送球が逸れ、その間に3塁に進んでいた塚本選手がホームイン。続く立澤選手は見逃し三振で凡退となりますが、2点を取り1部で初めての攻撃を終わります。  


続いて迎えるのは1部で初めての守備。ブルーウィングスの先発は昨秋のMVPを受賞したエース小笠原投手です。相手の先頭打者には粘られますが、3ボール2ストライクからの7球目を打たせると、打球は二遊間への飛球となります。しかし、この打球を二塁手の鳩山選手が落球しさらに1塁へ悪送球。いきなり無死2塁のピンチとなります。

続く2番打者の打球は遊撃への平凡なゴロ。これも遊撃手の藤津選手が中途半端な送球をしてしまいますが、ここは一塁手の栗原選手が捕球しカバー。1部特有の緊張感がお互いに漂う中、栗原選手のファインプレーでチームに一時の落ち着きを与えます。

待望のアウトを取ると、小笠原投手は3番打者をキレのある変化球で空振り三振に仕留め、4番打者は三塁へのゴロで難なく3アウト。無失点で抑え、試合のペースを握ります。  


追加点を取りたい2回表の攻撃。先頭で打席に入るのは北原選手。普段は滝野川高等学院の生徒として文武両道に励んでおり、日頃の練習や試合で目覚ましい成長を遂げ、この日のスタメンを勝ち取りました。緊張の初打席となりますが、相手投手は1球もストライクが入らず、四球で記念すべき初打席初出塁となります。

続く8番栗原選手は空振り三振に倒れますが、この日先発投手としての体力温存の側面から9番に起用された小笠原投手が死球で繋ぎ1死1,2塁とチャンスを拡大します。この場面で迎えるのは、今年ここまで出場した8試合すべてで安打を放っている木下選手。チームの頼れる首位打者はこの場面でもしっかり捉えますが、惜しくも打球は二塁手の正面へのゴロとなります。何とか得点したい状況で、続く藤津選手は持ち前の選球眼で四球をもぎ取り2死満塁。ここで打席に向かうのは、豊田監督が今年は3番で使うと早々に明言した塚本選手。積極的に2球目を振り抜くと、二塁に転がったゴロが相手のエラーを誘い待望の追加点が入ります。




その裏の攻撃はゼロに抑え、3回表のブルーウィングスの攻撃も無得点となり試合は3回裏へ。先頭の相手1番打者に左中間へ二塁打を浴び、無死2塁のピンチとなります。続く2番打者にも中堅への特大の飛球を打たれますが、外野守備の名手木下選手が難なく捕球。しかし相手走者のタッチアップを許し、1死3塁となります。ここで3番打者には死球を当ててしまい、4番打者の打球は三塁の立澤選手がファンブル。それでも立澤選手は後逸や悪送球をしなかったため、この時点で相手の得点は許さず、1死満塁で相手の5番打者を迎えます。

1ストライクからの2球目、小笠原投手の球威のある直球で完全に詰まらせますが、相手左打者の放った打球は三塁の頭をわずかに越え、左翼の塚本選手の前でポトリ。不運な安打で1点を失います。尚も1死満塁のピンチが続き、ここで相手6番打者は一塁への力ないゴロに打ち取ります。これを栗原選手が捕球したものの、本塁へまさかの悪送球。走者2人が生還し、3-3の同点となります。

さらに1死2,3塁と逆転のピンチが続きますが、ここで小笠原投手がエースたる所以を発揮します。ギアを上げ、声を出しながら投球すると、相手の7番、8番打者を2者連続で3球三振に仕留める圧巻の内容。失いかけた試合の主導権をエースの力で手繰り寄せます。

 

すると直後の4回表、ブルーウィングスは1死から奮投する小笠原投手が右翼線に二塁打を放ちチャンスメイク。木下選手が倒れ2死となり、迎えるのは今年所属5年目、北区連盟で主軸として酸いも甘いも経験してきた藤津選手。ベンチの誰もがここでの一本を祈る中、打球は左中間を破る適時二塁打。この回から代わってマウンドに上がった相手速球派投手を打ち砕く貴重な一打となります。今年はここまで納得のいかない打席が多く、人知れずうっぷんを抱えてきた打撃職人が大事な試合で示す真価。1点を勝ち越して4回裏の守備に向かいます。

 

しかし、この回の守備でまたしても1部の怖さが牙をむきます。先頭の9番打者の打球を二塁手の鳩山選手がファンブルすると、1死後に2番打者が放った打球はこの日初めて右翼を守る北原選手のもとへ。北原選手にとって最初の守備機会は、なかなか見ることのない右打者の高い飛球。誰しも飛球の守備は緊張するものですが、これを北原選手が落球してしまい1死1,2塁。飛球の守備は特に上達の跡が見えていた北原選手ですが、この場面は悔しい結果となりました。

しかし、味方のミスほど燃えるのがエース。またしても小笠原投手がギアを上げると、相手3番打者を3球三振にねじ伏せ2死。続く4番打者も力ない飛球に打ち取りますが、この打球の処理で二塁手の鳩山選手が芝に足をとられてしまい、打球は無情にも着地。不運な適時安打を許し、同点となります。さらに5番打者に四球を与え2死満塁とすると、6番打者の打球は高いバウンドで二遊間を抜けて中堅前への適時安打となり5-4。再逆転を許しますが、ここで中堅手木下選手の強肩が発動。本来なら2点入ってもおかしくない打球でしたが、木下選手の好返球を前に相手2塁走者は3塁を回ることすらできず、2死満塁で試合続行となります。ここでビーゾーンは7番打者に代打を起用しますが、ここを遊ゴロで切り抜け、1点差で5回表の攻撃へ入ります。


後編に続く


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