T君、都立高校合格の舞台裏
この度は、本校スタッフの足名(2021年3月まで京都で大学生をしながら、月に1度程度、教室を手伝ってくれていました。4月からは東京在住となります)が、
T君の高校合格によせて、初めて滝野川高等学院に入校した2019年の冬頃からのT君のあゆみを振り返って記事にしてくれました。
私が初めてT君に出会ったのは、一昨年の冬頃だったと思います。
当時のT君はあまり元気がなさそうにしていることも多かったですが、しっかりとした口調で話をすることが印象でした。
それから私が東京に来るたびにT君と話すようになり、
T君は少し自分の気持ちや感情を相手に素直に伝えることが苦手だということに気づきました。きっとこの些細な苦手が、彼が学校に行きづらくさせたのだと思います。
私が彼を見て「すごいな」と思ったのは、不登校であっても、同級生と同等の学力を身に着けようと努力していたことです。
私自身中学時代不登校になった経験がありますが、当時の自分は勉強をしようとしたことがありませんでした。それは確かに心や体が辛かったこともありますが、不登校という状態に甘んじて、勉強から逃げていた節もありました。
しかしT君は違いました。フリースクールの時間を最大限活用し、コツコツ勉強を重ねていました。そして彼はフリースクールだけでなく、中学校の別室登校も行い、週末には時折野球部の活動にも参加していました。もちろん簡単にできたわけではありません。彼が苦悩の末、自分や学校、同級生と向き合い立ち向かった行動でした。
そして彼は2年生の冬に、修学旅行にも参加しました。修学旅行前はやはり悩みや不安、ストレスもあったのでしょう、クラスに入ったり事前説明会に参加したりするようなことがあると、体調を崩しながらも学校に向かっていきました。それらの行動を間近に見て、彼の胸の奥にある強さを知りました。
それからの彼の変化は目覚ましいものでした。3年生になったT君は学校に本格的に復帰し、部活動でもレギュラーを勝ち取りました。そして本格的に受験勉強に取り組むようになりました。その頃になると滝野川高等学院に入学したころの彼とは別人のように、T君の顔はイキイキとして笑顔が輝いて見えました。私はT君とはたまにしか会うことが出来ませんでしたが、その表情は彼自身の努力の上にあるのだと強く感じました。
そしてこの春、彼は第一志望であった高校に合格しました。不登校となった時期のある彼にとって受験とは大きな壁そのものでした。しかし彼は3年間休むことなく学校に通ってきた受験生たちと同じ舞台で受験という大きな戦いを行い、合格を勝ち取りました。
これらのことが容易なことではないことは、不登校について知っている方はよく理解できると思います。険しい道のりを乗り越えた彼なら、今後の高校生活もきっと頑張ることが出来るでしょう。私はそう感じます。そしてもし何か困難に立ち向かっても、滝野川高等学院にはT君を迎え入れる様々な人々が待っています。頑張れT君‼
スタッフの足名は、この3月まで月に1度程度、京都から滝野川に来てくれているため、私(代表・豊田)やスタッフの中塚(学院長)、戸口たちと違って適度な距離からT君を見てきました。そのため、私たちが近すぎて気付かなかったT君の成長を客観的に見ることができていたのだと思いました。
お子さまが不登校の状態にある親御さんの参考になればと思い掲載しました。
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