皆様、こんにちは。フリースクール滝野川高等学院代表の豊田です。
朝夕にはわずかに秋の気配を感じる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近は大雨による冠水、河川の氾濫などが全国各地で相次いでおり、私も心を痛めております。少しでも被害の少ないことを祈っております。
さて、夏休みが明け、学校生活が再開する9月。毎年この時期は、子どもたちにとって心身ともに大きなエネルギーを必要とするタイミングでもあります。「学校に行かなければ」というプレッシャーと、「どうしても足が向かない」という葛藤の中で、悩み、苦しんでいる子どもたちや保護者の方々から、連日のようにお問い合わせやご相談をいただいております。
今回は、そんな9月の滝野川高等学院の様子と、
それぞれのペースで前を向いて歩みを進めている子どもたちの姿、そしていよいよ本格化する大学受験に向けた取り組みについてお伝えしたいと思います。
(Geminiが写真をイラストに変換したものです。笑顔が素晴らしいです)
1.9月の入校ラッシュ〜総勢92名、活気あふれる学び舎へ〜
今年の9月は、例年にも増して多くの子どもたちが滝野川高等学院に入校してくれました。
9月1日から9日までのわずか一週間あまりの期間に、小学生4名、中学生4名、高校生1名、計9名もの新しい仲間が加わりました。
体験まで進んでいる子どもも複数おり、入校者はさらに増えると予想しています。
とはいえ、まだ教室の空きはございますので、入校をご検討の方は、気軽にご相談ください。
新しい環境に飛び込むことは、大人であっても勇気がいるものです。
ましてや、学校生活で傷ついたり、人間関係でつまずいたりして自信を失いかけている子どもたちにとっては、どれほどの決意が必要だったことでしょう。
見学に来た当初は緊張で表情が硬かった子どもたちも、少しずつ教室の空気に馴染み、今ではスタッフや先輩生徒たちと笑顔で言葉を交わす場面が増えてきました。
今回の入校ラッシュにより、滝野川高等学院の在籍生徒数は、小学生が26名、中学生が37名、高校生が24名、そして大学生が4名の、合計92名という大変な大所帯となりました。毎日30人ほどの生徒が元気な顔を見せに来てくれます。まだ30分しかいられない生徒、午後に目覚めて終了間際にやってくる生徒もいますが、それでも全く構いません。顔を見せてくれればそれだけで100点です。
来れない日もあっていいし、休んだことを気にする必要すらないと思っています。
これほどまでに幅広い年齢層の子どもたち、若者たちが一つ屋根の下に集い、日々を共にしている空間は、一般的な学校ではなかなか見られない特別なものです。
小学生の無邪気な声が響く一方で、高校生が真剣にノートに向かい、大学生の先輩がそっと中学生の悩み相談に乗っている。そんな世代を超えた温かい交流が、毎日のように自然発生的に生まれています。
92名という人数には、92通りの個性とストーリーがあり、滝野川がかけがえのない居場所となれていることを幸せに思っています。
2.十人十色、それぞれの目的に合わせた「居場所」の形
滝野川高等学院に通う92名の子どもたちには、「こうしなければならない」という画一的なルールや、全員が同じ時間割で動くような強制はありません。なぜなら、ここに来る目的も、今必要としているサポートも、一人ひとり全く異なるからです。
例えば、「学校の人間関係に疲れてしまい、まずはゆっくりしたい」という目的で来ている生徒がいます。彼らにとって、フリースクールは心を休めるための「安全基地」です。無理に誰かと話す必要はなく、読書をしたり、音楽を聴いたり、ただ静かに時間を過ごすことで、すり減った心のエネルギーを少しずつ充電しています。
一方で、「友達を作りたい、同世代との関わりを持ちたい」という思いで通ってくる生徒もいます。ボードゲームやカードゲーム、携帯ゲーム、外遊び、クッキング、小物づくりなどを通じた遊び、共通の趣味(ゲームやアニメ、音楽など)の話題をきっかけに、自然な形でコミュニケーションの輪が広がっていきます。
ここでは「学校に行けているか・行けていないか」という基準で人を判断する生徒は誰一人いません。ありのままの自分を受け入れてもらえる安心感が、新しい友人関係を築く土台となっています。
また、「毎日の生活リズムを作りたい」という目標を掲げている生徒もいます。
昼夜逆転してしまった生活を少しずつ戻すために、「まずは週に2回、お昼から来てみる」「慣れてきたら朝から通ってみる」というように、自分のペースで登校スケジュールを組み立てています。
家から出て、太陽の光を浴び、誰かと挨拶を交わす。その小さな積み重ねが、確かな自信へと繋がっていくのです。
さらに、「体力向上のために来ている」という生徒もいれば、もちろん「受験に向けてしっかりと勉強をしたい」という生徒もいます。
このように、休息、交友、生活改善、体力作り、学習など、みんながそれぞれの目的に応じて、無理なく、そして楽しく過ごしているのが滝野川高等学院の日常です。誰かと同じである必要はありません。「自分はどうしたいのか」「今、何が必要なのか」をスタッフと一緒に考えながら、自分だけの時間をデザインしていけるのが、フリースクールという居場所の最大の強みだと考えています。
3.滝野川での集大成〜11名の大学受験生たちの挑戦〜
そして、この秋からいよいよ本格的な「勝負の時期」を迎える生徒たちがいます。今年の滝野川高等学院には、大学受験を控えた高校3年生(および既卒生)が11名在籍しています。
この11名のうち、実に7名は中学生の頃から滝野川高等学院に通い続けてくれている生徒たちです。
中学生という多感な時期に、学校に行けなくなり、苦しみながら、何とかうちにたどり着いた、という子も多くいました。
そこから少しずつフリースクールという居場所で自分を取り戻し、高校へ進学し、そして今、「大学進学」という大きな目標に向かって自らの足で立とうとしています。
彼らがここまでの道のりを歩んでくるには、数え切れないほどの葛藤やスランプがあったはずです。「やっぱり自分には無理かもしれない」と立ち止まりそうになったことも一度や二度ではありませんでした。
悩みをスタッフに打ち明けながら、涙が出てしまうこともたくさんありました。
しかし、その度にスタッフと対話を重ね、仲間と励まし合いながら、少しずつ、しかし確実に前へ進んできました。
中学生の頃から彼らの成長を見守ってきた私たちスタッフにとっても、この大学受験は特別な意味を持っています。
彼らにとっては、滝野川高等学院で過ごした数年間の「集大成」であり、自分の人生を自らの手で切り拓いていくための、大きな自己表現の場だといえます。
スタッフにとっても、それぞれがその生徒一人ひとりに何ができたのか、その結果を明確な形で知ることになります。それはプレッシャーになるでしょうが、乗り越えたとき、スタッフにとっても大きな自信になることでしょう。
生徒たちは、受験のプレッシャーや不安と戦いながらも、参考書に向かい、小論文指導を受け、面接練習に真剣に取り組む彼らの姿は、後輩たちにとって何よりの道しるべとなっています。
「あんな風に頑張れるようになりたい」。先輩たちの背中は、言葉以上に多くのことを周囲に伝えてくれています。みんな、本当に本当によく頑張っています。
4.「総合型選抜」で生かせる、フリースクールでの経験
さて、近年の大学受験においては、「一般選抜(ペーパーテストによる入試)」だけでなく、「総合型選抜(旧AO入試)」の募集人数が非常に多くなってきています。文部科学省のデータを見ても、多くの大学で総合型選抜や学校推薦型選抜による入学者が半数を超える時代となりました。
実は、この「総合型選抜」において、フリースクールでの活動経験は、それ単体で非常に強力なアピールポイントになります。
今、総合型選抜で大学側が求めているのは、「ただ偏差値が高い生徒」ではありません。「自ら課題を見つけ、主体的に行動できる生徒」「困難に直面したときに、それをどう乗り越えたかという経験を持つ生徒」、そして、「自分以外の誰かのために行動できる生徒」です。
フリースクールに通う生徒たちは、ある意味で「不登校」という人生における大きな壁(挫折や困難)に若くして直面し、それと向き合ってきました。そして、与えられた時間割をこなすだけの受け身の学校生活ではなく、滝野川高等学院という自由な環境の中で、「自分は何に興味があるのか」「どんな風に生きていきたいのか」を自問自答しながら、主体的に学びや活動を選択してきました。
そして、自分のことも大切にしながらも、人のために行動してきました。高校3年生ともなると、たくさんの年下の子どもたちの心の支えになっています。それは受験勉強で忙しいときも変わりません。
うちの生徒で、「自分が受験生で忙しいから、他の子どもたちに対して冷たくなる」ような人は一人もいません。
忙しい中でも、後輩たちのために少しでも時間を作ってくれようとします。
そんな生徒たちの姿を見て、「お兄さんお姉さんたちに甘えにいきたいけど、今は勉強忙しそうだから少し我慢しよう」と、年少の子どもたちは自重することを覚えていきます。
それは毎年の光景ですが、受験に向けて成長するのは受験生だけではないのです。そこにいるスタッフも、他の子どもたちも大きく成長する。
受験はそんなすごいイベントです。
受験生にとって、フリースクールにおいて得られた、
・多彩な年齢層とのコミュニケーションを通じて培った対人スキル
・興味のある分野をとことん追求した探求学習の経験
・ありのままの自分を受け入れ、自分のペースで学習習慣を身につけ、自分自身の挫折から立ち直った、というレジリエンス(回復力)
これらはすべて、総合型選抜の志望理由書や面接において、他の受験生には決して語ることのできない、「ライフストーリー」となります。
私はしつこいほど言っていますが、「学校に行けなかった」という過去が、人生においてマイナスになることは絶対にありません。それどころか、貴重な経験として、彼らの人間的な深みや主体性を証明するための強力な武器に変わっていきます。
5.今年も素晴らしい結果が見込める確かな手応え
昨年までの大学受験でも、滝野川高等学院の生徒たちはこの「総合型選抜」を最大限に活用し、見事な結果を残してきました。自分の言葉で堂々と過去の経験と未来への展望を語る彼らの姿は、多くの大学の面接官から高く評価されています。
そして今年、受験に挑む11名も、先輩たちに負けず劣らずの準備を進めています。自己分析を繰り返し、自分の強みを見つけ出し、大学で学びたいことを明確にしていくプロセスの中で、彼らは見違えるほど頼もしい顔つきになってきました。
スタッフたちも同じです。若いスタッフは最初は生徒が合格できるか不安になっていました。しかし年々、経験値を積み、「この調子なら合格できる」「この子はもう一押し」「この状態だと受験校の見直しが必要だ」といった、ノウハウが蓄積しています。
そのため、受験が迫っても堂々としています。
これまでの生徒たちの努力の軌跡、そして現在進行形で取り組んでいる質の高い受験対策を見る限り、今年も昨年までと同様、あるいはそれ以上の素晴らしい結果が見込めるだろうと確信しています。
もちろん、受験に「絶対」はありませんが、彼らがこれまで滝野川高等学院で培ってきた「生きる力」は、合否という結果を超えて、必ず彼らのこれからの人生を支える土台となるはずです。
それに、結果が振るわないときは、「もし不合格になるなら、それは相性が良くなかっただけ。不合格になった瞬間から、次の相性が合う大学を探そう」というだけのことで、不合格という結果によって、
その素晴らしい生徒の何かが否定されることは全くないのです。
私たちはこれからも、受験生はもちろん、今日新しく入校してくれたばかりの生徒たちを含め、92名全員がそれぞれの「自分らしさ」を咲かせられるよう、スタッフ一同、全力で伴走してまいります。
急に涼しくなったり、まだ暑さが戻ったりと不安定な気候が続きますが、皆様もどうかお体をご自愛ください。
今後とも、滝野川高等学院の活動に温かいご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
滝野川高等学院
代表 豊田毅
滝野川高等学院
住所:東京都北区浮間1丁目1−6 KMP北赤羽駅前ビル3F
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