元不登校のスタッフ、大学院へ進学する。
こんにちは!スタッフの戸口です。
今回のブログは、私が今挑戦している大学院受験について書いていきます。
目次は次の通り。
〇なぜ大学院に行くのか
・大学院とは
・大学院で何をするか
〇不登校経験をふまえつつ、大学院受験のなかで感じたこと
・不登校経験を振り返る
・大学院受験に向けた日々のなかで
〇まとめ ー滝野川高等学院と大学院、新時代の教育組織ー
現状、元不登校が大学院を目指す例はあまり多くないと思うので、不登校経験者の進路選択や、大学院進学を考えている方の一助になれば幸いです。
〇なぜ大学院に行くのか
・大学院とは
まず、大学院とはどのような場所なのか簡単に見てみましょう。
大学の学部課程の上に設けられ、学術の理論および応用を教育研究し、文化の進展に寄与することを目的とするものである。
つまり、学部で学んだ知識や理論を活かして専門的な研究活動につなげる場所、といえるでしょう。
修士課程と博士課程に分かれ、それぞれ最低2年間、3年間です。
他に、教員免許が大学の学部で取得できる「一種免許状」から「専修免許状」にアップグレードできたり、理系だと専門知識をさらに深めることで就職が有利になることもあったりと、メリットもたくさんあります。
しかし、こうした「おまけ」目当てで大学院を志すのはあまりにもったいないと思います。
大学院に進学する最大のメリットは、「学問を深めること」です。
人間、手広く様々な活動に身を投じることも大切ですが、それ以上に何か一本、太い軸が通っていることこそ必要ではないでしょうか。
これだけは誰にも負けないという気持ちを持って、真剣に取り組んでいるモノ。
成功するためとか輝くためとか以上に、人生を楽しむために必要だと考えています。
野球を極めるとか、将棋を極めるとなると、優れた才能がないと厳しいかもしれません。
しかし「学問を深める」というのは、基本誰でも目指せます。
学問に真剣に向き合って太い軸が通っている人は、その後どんな仕事に就いたとしても、浅薄な人よりはるかに本質に迫っていけることでしょう。魅力的な人生です。
改めて、大学院とは、学部で学んだ知識や理論を活かして専門的な研究活動につなげる場所です。
そして、大学の4年間にさらに数年加えて、奥深い人間に成長できる場所です。
確かに修士課程だけでも2年間も就職が遅れるので、同年代との差や就活への影響は気になるところかもしれません。
ただ、かつて少数派だった大学進学者が今や多数を占めているように、今は少ない大学院進学も、いずれは一般的な選択肢になるかもしれないと思います。
・大学院で何をするか
私は、大学入学当初から大学院進学を考えていました。その時は長く学生でいたいという邪な気持ちもありましたが、高校時代に豊田先生(現滝野川代表)に言われた「学問を深める」ということが気になっていました。
ただ、文学部に進学した私ですが、文学で院に進学するというイメージはなかなか湧きませんでした。
そんな時、滝野川高等学院が開校しました。
それからもうすぐ3年。
不登校と登校している生徒が共に学び、小学生から高校生まで在学して、教育に関心のある大学生や大学院生が勉強や手伝いをしにきてくれる。
まだまだ進化の余地もあるでしょうが、滝野川は、私にとって理想的な教育組織です。
その内、こう考えるようになりました。
「滝野川のような組織・理念が全国に広がってほしい」
「そのために、まだまだ確立していない不登校を含めた教育の研究を自分も進めたい、進めなきゃいけない」
その最初の段階として、
「大学院の修士課程に進学して、不登校が急増する日本の社会について研究したい!」
と思い、文学ではなく、教育・社会学系の分野を志すようになりました。
大学院進学後ももちろん、滝野川高等学院では今と変わらず力を尽くします。
いわば、不登校など社会問題に対して、実践と理論の両面から向き合っていくということです。
大変ありがたいことに、大学院生でスタッフの足名さんが既にその道を示してくださっています。
後輩の私は、先輩のお力を借りながら似た道を進むことになりました。先輩の記事もHP内のブログやWhereaboutsにたくさんあるので、是非ご覧ください。
〇不登校経験を踏まえつつ、大学院を目指すなかで感じたこと。
・不登校経験を振り返る
私は不登校経験者です。先月に文部科学省から発表された令和2年度の不登校者数は、小中学校だけでおよそ20万人。不登校は全く珍しいことではありません。
<令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要>
なので、20万人には20万通りの経験があって、例えば私の思いが全てに当てはまるわけではありません。
ただせっかくのブログなので、何かの参考になればと思い、不登校として感じたことを記します。
私はこの頃、自分が不登校になった数ある理由の1つとして、小学校時代複数回経験した引っ越しがあるのではないかと考えています。
小学生とはいえ、その場所で築いたたくさんの関係性は社会そのものです。友達関係、クラスの中の位置、役割など。無意識だとしても、1つ1つ積み上げられていきます。
だからきっと、小さい私にとって引っ越しとは、世界の崩壊に等しいものでした。
2年ほどかけて作られた自分の周りの社会が、抗えない力であっさりと無くなってしまいます。
当時、引っ越しが告げられるたびに非常に泣き喚いたことを覚えています。
そしてそれは、一度ではありません。
確証はありませんが、こうした経験もあって、何かに執着することのない自分が作られたように思っています。
何に頑張ろうと、それが必ず身を結ぶわけでもない。頑張ることは、辛くて怖いことでした。
努力で何かを乗り越える選択肢が無いから、勉強もスポーツも上手くいかなければすぐに辞め、中学1年生の間にもいくつかの部活を入っては辞めました。
そしてその先に、不登校がありました。
不登校という一度社会を捨てた経験は、「どうなってもいい」という、投げやりな楽観主義を私に与えました。
・大学院受験に向けた日々のなかで
それから10年弱、いくつかのことを乗り越えて、今があります。
ところが、大学院受験に挑むこの時になって、投げやりな楽観主義が少し顔を出していました。
院に挑む日々のなか、上手くいかないことが続いた私は、豊田先生にある志望校の受験を辞めようかと相談しました。
受験日を目前に控えるなか、自室で勉強よりも娯楽を選ぶ瞬間がありました。
私は多分、私の中に残る投げやりな楽観主義と、一生ずっと戦い続けなければいけません。
これがもし不登校経験から続くことだとしたら、不登校の子どもたちは、なるべく早く「努力で何かを勝ち取った経験」を積む必要があります。
勝利の経験のみが、努力の原動力として、自分を進化させるのです。
滝野川で力を尽くしつつ不登校と社会に向き合う研究者になるために、私もいずれ、執着しない自分、楽観的な自分に完全勝利しなければなりません。
その芽は、少しずつ伸びています。
どれだけ練習してもどこか素人くささが抜けない野球で、ホームランを打ちました。
自分が満足できる努力ではなかったけど、立教大学、青山学院大学、筑波大学それぞれの大学院に合格しました。
これらのほとんど全て、滝野川が私にくれたものです。
滝野川高等学院の教育力には、通常ではない何かがあると思います。
〇まとめ ー滝野川高等学院と大学院、新時代の教育組織ー
私が大学院に進学すれば、滝野川のスタッフは、その全員が院進学を経験したことになります。
スタッフ以外にも大学院生の方が実習として来られたり、軟式野球チームのブルーウィングスの中にも影響されて院進学を目指す人がいたり、滝野川は本当にアカデミックな場所です。
滝野川は、
不登校の小中高生を受け入れて、
通信制の高校生をサポートし、
他塾で伸びなかった生徒と共に学び、進路を一緒に考えます。
野球を通じて教育に関心のある大学生と関わり、互いに影響を与え合います。
これらの活動をふまえると、滝野川高等学院を表す既存の組織名はありません。
スタッフとして、同時に生徒として、新時代の教育組織だと思います。
私もその成長例の1つとして、研究者としての道を探っていくつもりです。
最後に、このブログが、不登校経験のある方や大学院進学を考えている方のお役に立てば幸いです。お読みいただきありがとうございました。
滝野川高等学院
住所:東京都北区浮間1丁目1−6 KMP北赤羽駅前ビル3F
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