フリースクールと学習塾が共存する時間
はじめに
こんにちは!
学校が夏休みの間、普段は放課後に通っている学習塾の生徒も、昼の時間に来ることができるようになっていました。中には受験生もおり、楽しい夏休みの雰囲気だけでなく、真剣な瞬間が生まれています。
ここで問題として考えられるのは、元気いっぱいの子どもたちが、勉強を目的として来る生徒の妨げにならないかどうか。また反対に、静かにしなければいけないという空気感が、フリースクールの子どもたちを縛り付けることにならないかどうかということです。しかし実際には、フリースクールと学習塾の共存はメリットになり得ます。
今回はこの共存する時間について書いていきます。
共存の効果
これまでも夕方の一部の時間で、フリースクールとして通う生徒と学習塾として通う生徒が重なることはありましたが、夏休み中はその頻度が上昇。先に述べたようにこの時間帯は、勉強ばかりが目的ではないフリースクール生が例えば大きな声で話すなどして、塾生の集中を妨げてしまう可能性が考えられます。実際に、大きな物音を注意する場面も時々ありました。
ただしたいていの場合は「勉強している人がいるから静かにしよう」と子どもたちに声をかけて、十分に集中できる学習環境は保たれています。むしろ塾生にとって、多少の雑音の中で勉強することは集中力を鍛えることにつながるでしょう。
では塾生のためにフリースクールの子どもたちを抑えつけているのかというと、決してそうではありません。フリースクール生にとって、塾生との関わりは社会性を身に着けるチャンスです。人の気持ちを考えて行動し、思いやりの心を学ぶことにつながります。
「自分らしさ」や「好きなことをやりたい」という気持ちは最大限に尊重しつつも、「他者のために行動する」ことの大切さも知ってもらいたいと考えています。
塾生と共通の空間にいることのメリットは他にもあります。塾生には中高生も多く、小学生が多いフリースクール生は、自らの進路に向けて励む先輩たちの背中を見ることになります。このことは、勉強はもちろん、それ以外の色々な場面で「自分も頑張ろう」と奮い立たせるきっかけになるのではないでしょうか。
根本が同じだから違和感のない共存が生まれる
また滝野川では、フリースクール生と塾生を必要以上に区別していません。塾生は教室にいる時間が限られているので密度を高い学習をしますが、フリースクール生も検定の取得などを目指して一生懸命勉強しています。塾生も気分転換としてフリースクール生とトランプなどで遊ぶことはありますし、過去には勉強時間終了後に翌日の体育の授業に備えて外で野球の練習をしたこともありました。
活動内容に違いはあれど、個々の成長に必要なことを積み重ねるという根本は全く同じです。そのため、同じ空間にいても違和感なく共存することができています。
また近年では学習塾と学校が連携して、効率的な学習指導を行う取り組みもみられるようになってきました。こちらは民間と公教育の連携ということで滝野川における共存とは毛色が異なりますが、学習塾の実践や発想が公教育あるいはフリースクールにとって有用であることの証明といえるでしょう。
一人ひとりと向き合って進路について真剣に考えることは、フリースクールも学習塾も同じです。学習塾の活動のなかで培われた進路に関する情報は、フリースクール生に対しても役に立ちますし、その逆もあります。
このように、フリースクールと学習塾の共存は、直接的にも間接的にも様々な効果をもたらしています。
おわりに
今回は滝野川高等学院における、フリースクールと学習塾が共存する時間についてご紹介してきました。両者の教育の根本には同じ発想があるために、違和感なく共存できていると考えられます。根本が同じであるなら、本当は学校に登校している/していないという区別は必要ないのかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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