この2年間を振り返って

query_builder 2021/08/13
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滝野川高等学院 画像素材_210415_10

 2019年に始まった滝野川も開校から2年が過ぎ、内情も大きく変化してきました。そこで今回は、今までの2年間を振り返ってみたいと思います。  


 2018年の年末、代表から、自分やスタッフの戸口に連絡があり、「通信制サポート校」なるものを立ち上げる流れとなりました。最初は、サポート校といわれてもハッキリとわからず、学習塾のような場所なのか、学童保育のような場所なのかわからない状態でした。

 そのような状況で動き出した滝野川高等学院。立ち上げ時のメンバーは、代表、自分、戸口、代表が三重県で知り合った高校教諭のK先生の4名が、現場のスタッフという形で始まりました。

 まずは資金調達ということで、クラウドファンディングで資金を募ることになりました。しかし、なかなか集まらないことに立ち上げメンバー全員が不安に思いながらも、沢山の人たちの力もあり、何とか希望金額を達成し、最初の第一関門を超えることができました。

 次に、テナントと広報やサービス面をより具体的に煮詰めるために動き、ある程度形になったのが3月の半ばです。そこから開業準備をはじめ、室内のレイアウトを考えつつ、教室づくりが始まりました。そして、3月末に無事開業準備が整い、4月1日オープンの流れとなりました。


 滝野川の門出は幸先が良く、4月第1週に最初の生徒であるA君が入学しました。彼は高校3年生で、開業したばかりのサポート校を見つけた経緯は、提携していた通信制高校のページに滝野川のページが追加されたことと、滝野川がサポート校としては珍しく、野球の活動を行っていたからでした。

 最初は生徒を含めた5名でキャッチボールなどからはじまりましたが、K先生が、訳があって離脱。スタッフ3名と生徒1人のサポート校が始まりました。

 今でこそ、滝野川ブルーウイングスとして沢山の大学生や高校生、社会人の方が参加してくれている野球の活動も最初は少なかったのです。

 しかしある時から、代表のTwitterを通じ、「生徒に野球を教えたい」という人や、「一緒に練習がしたい」という人が連絡をくれるようになりました。

 そうした中で、本校唯一の生徒を、「何とか試合に出せないものか」と考えた末に立ち上がったのが滝野川ブルーウイングスでした。その後、チームを立ち上げ、練習を行っているうちに少しずつ人が増え始め、チームとして練習試合ができるようになっていきました。

 そうした中で季節は秋。受験というものが目前に迫ってきました。自分と戸口の二人は、これが初めての大学の受験指導ということで、至らぬこともたくさんあったと思います。

 その中で、何とか生徒を大学に合格させようと代表を中心に受験指導が始まっていきました。

 しかし、第1回目の推薦入試の結果は振るわず、落胆する中で2回目のチャンスは12月。なんとか受験準備を行い、結果を待つこととなりました。ドキドキしながら結果発表を見ると、見事合格!滝野川初の生徒は東洋大学合格という形で、滝野川の1年目が過ぎていきました。


 受験生が受験に向かって邁進している夏ごろ、滝野川に動きがありました。その生徒は兄弟で、一人は19歳のO君。小学校高学年から、人間関係がうまくいかず不登校となっている生徒でした。もう1人は、中学1年生のTさんで、小学校高学年から不登校ということで、少し遅れて秋ごろ入学となりました。

 A君は大学受験という点で難しく、大変でしたが多くの学びもありました。しかし、こちらのO君兄弟も、違う点から沢山の学びがあったのです。

 自分も不登校の経験があり、趣味や好きなことも似ていることから、自分が中心となって彼らに対応することになっていきました。しかし、人間関係で何か悩みを抱えている人間を、再度「社会」という場所に戻すのは、色々な問題が起こりました。そのなかで、不登校生徒を復帰させるのには、不登校の経験年数に比例する年月が必要なのだと学んでいくことになったのです。

 その後、年末に本校最初の生徒であるA君からの紹介ということで、中学2年生の男の子T君が入学してきました。この辺りから少しずつ滝野川の形態に変化が表れ始めたと思います。代表を含め、自分たちも経験していなかったり、見てこなかったり、様々な不登校生徒の情報をこの一年で経験したこともあって、不登校生徒への対処という面において、ノウハウや考え方、方法論などが昇華されていき、体勢的にも変化が生じてきました。高校生を中心とした支援組織として開校当初は考えてきたのですが、この1年間サポート校を行ってきたなかで、「潜在的な不登校数は高校生のほうが多い」のでしょうが、「高校の制度上、不登校という状態にはならず、休学ないし退学という処置になる」という考えに至りました。そこで、より直近して不登校という問題に直面しているのは小学校や中学校の生徒であり、そちらの方が本校の情報を見やすいのではないかと考えるようになっていきました。そして、この頃から「通信制サポート校」という業種に、「フリースクール」という業種が追加されることになっていくのです。


 しかし、ここからなかなか新しい生徒が入ってきませんでした。また、同時にコロナウイルスの流行という事態も重なり、3月から2、3か月の間、生徒3人と卒業生1名、スタッフ3名の計7名で活動していくことになりました。しかし、その状態では経営的にも非常によろしくない状況ということで、新たなサービスの形態を模索することになるのです。

 そこで、次に追加されたのが「学習塾」でした。ですが、この学習塾の名称は、滝野川高等学院ではなく、別名称で行われることになります。なぜなら、以前から所在地が「北区浮間」であるのに、なぜ「滝野川」なのかという疑問が、生徒や生徒の保護者などからあがっていたからです。そこで、名前が与える土地的印象の大きさを考慮して、「浮間ラボ」という名前となりました。

 ここから学習塾という側面も兼ねることになり、一人二人と、塾生が少しずつ入塾し、年度末では20名の生徒が在籍するという状況になりました。そのなかで、少しずつ現在の経営形態に近くなっていきます。コンセプトは、「不登校生徒への確実な学力支援」と「不登校復帰後の学習塾としての使用」です。

 そうする中で、T君も中学3年生になり、いよいよ受験生としての動きを始めることとなっていきます。まず始めたことは、3年生に学年が変わる段階でクラスへの復帰を行い、3年の学期末テストを数回はさみ、その中で点数を伸ばしていくことで高校受験に備えるという作戦をとることになりました。

 しかし、コロナウイルスの流行という状況による教育現場での大混乱が、滝野川や受験生にも訪れることになります。せっかく学校に復帰した生徒も2か月に及ぶ自宅学習への移行や、受験範囲の縮小など様々な影響がありました。

 ですが、この点に関しては、決してマイナス面というわけではなくプラスに働く面も多かったのです。

 そして、塾生も含めT君も推薦入試の時期が訪れましたが、結果は振るわず一般入試まで長引くこととなりました。

 この年の受験生は3名で、早い段階から希望校を明確にしていた2名は無事希望校に合格。一方で、家庭の事情などが重なり、なかなか受験校がはっきりしなかった残り1名は、希望校に合格させることができないという心残りがある結果となりました。

 しかし、この中学生の高校受験合格という出来事は、本当にいろいろなものを自分たちに与えてくれたのです。目標設定の大切さや受験校の設定、学力的な目安や指導法など、学力や受験制度の面でのことはもちろん、T君の合格で、不登校経験がある生徒でも目標が明確であれば、希望した進路の合格を得られるという結果が大きかったです。しかも、合格先は、都立の偏差値が50台の高校であり、T君が与えてくれた実績と自信が、今の滝野川の形態に大きな影響をあたえたといえます。

 無事、受験生の合格という一大イベントも過ぎ、滝野川の2年目は過ぎていきました。


 そして3年目に至り、滝野川の内情も状況に合わせて常に変化してきています。最初は数人規模で始まった滝野川も、この2年間でトータル33名の生徒が入学し、現在では、卒業者を除く26名が在籍するという規模になりました。また、滝野川の内情も、初期の「通信制サポート校」や「フリースクール」といった既存の枠組みからはずれ、新たな教育の形へと変わりつつあります。フリースクールやサポート校というと、不登校という状況を受け入れ、居場所を提供する場所というイメージが強いです。ですが滝野川では、不登校という状態と向き合い、学校復帰を目指す場所というコンセプトは維持しつつ、学力をしっかりと身につける教育機関という側面が強くなりました。


 ここまでの2年間では、サポート校の認知度やフリースクールに対する教育機関への印象など、様々な気付きがありました。その上で「どうすれば認知度が上がるのか」、「不登校という問題を抱えた生徒に対し、どうすればより力になれるのか」など、様々な悩みや葛藤がありました。


 今回は、2年間を振り返るということで、今までの2年間を思い出しながら書いてきましたが、まだまだ語るに語れないほど様々なことがありました。ですが、今回はこの辺りで筆をおき、今回語れなかったことは、次の機会にしたいと思います。

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