一人旅のススメ | フリースクールは東京の滝野川高等学院 | 機関誌『居場所研究』

滝野川高等学院教務　足名笙花

こんにちは。いつもの足名です。

今回は最近私が行ってきた一人旅について、

不登校の話も交えてお話ししていきたいと思います。

初めて乗った夜行列車

今回の旅のスタートは「サンライズ瀬戸」の車窓から。

東京から香川の坂出までの旅が始まりました。

いつか乗ってみたいと思っていた寝台列車。

常に廃止案が出ているということを耳にしたこともあり、

「いつかいつか…」と思っていたら乗れなくなってしまうと思い、

1か月前のチケット販売を乗り越え、ようやく乗ることが出来ました。

寝台列車の良いところはもちろん席にもよりますが、

広い窓から、深夜の様々な街の様子をゆっくりと見ることができることです。

唯一聞こえる電車の音を聞きながら、ぼーっと外を見るだけで、

心が落ち着いていくのが分かります。

そして簡単な仮眠を行ない、目的地の金毘羅山へ。

サンライズは寝台列車ということもあり、8時過ぎには金毘羅山の最寄り駅である

琴平駅に到着しました。

そこから待ち受けるは、本社に続く785段の階段。

直前に雨が降ったこともあり、湿度で空気が生ぬるい中、

大体３０分かけてゆっくりと登り切りました。

旅の過程について逐一お話しすると果てしないブログになってしまうので、

簡単にお話ししますが、

そこからは愛媛の今治まで特急電車に乗って移動し一泊、

次の日には今回の旅の目的であった、

自身が研究している「教育家」に関する情報を求めて今治中央図書館に行き、

その後松山城と道後温泉に行くために愛媛県の松山に移動し一泊、

しまなみ海道を高速バスで渡り広島の尾道で一泊、

岡山の祖母に会って帰宅してきました。

一人旅をする理由。

思い返してみると、私は２、３年に１度、一人旅に行っています。

理由は特にないのですが、やはり大学院や仕事など日常生活の喧騒から離れ、

普段一緒にいる友人などから離れ、頭を空っぽにして

１人気ままに旅に出ると、色んなことがリセットされて、

また始まる日々と向き合えるような気持ちになれます。

もちろん今回の旅行は職場のみんなの支援によって実現したものですので、

みんなへの感謝も忘れません。

ひとりじゃない。

不思議なもので、中学生の頃までは、人に群れること、人と共に過ごすことが

最上の青春であり、幸福だと思い、

修学旅行に参加することが出来なった時は、

自分を恨み、周囲の環境も恨みました。

しかし高校生になり、目指すものが見つかり、自我が確立していき、

仲間が増える中で、人といる時間も１人でいる時間も

大切に思えるようになっていきました。

それはきっと不登校だった頃のように、孤独と思わなくなったからだと思います。

「１人であっても、孤独じゃない。」

そう思えたときに、一人旅に積極的になったように思います。

ただ一方で、不登校だった頃に、一人旅に行っていたらどうだっただろうか？

とも思います。

当時私はよく家での居心地が悪かったら、

普通電車で１時間半の愛知県の祖父母の家に行っていました。

祖父母はそんな私を優しく受け入れてくれましたが、道中は１人といえど、

完全な一人旅とは異なるものでした。

もちろん当時私は中学生でしたから、１人で宿泊することは出来るのか？

という問題もありますが、もしそういう選択肢があったら、

積極的な気持ちで一人旅を選択することが出来たら、

またその先の道も変わっていたように思います。

近くでもいい、

あなただけの旅をしてみよう。

最近「学力主義」と「経験主義」の話が議論されているのを

目にするようになりました。

「旅」というのは、経験主義に位置するようにも思います。

未成年の場合は保護者の同意も必要ですし、お金がないと旅には出られません。

このためこのブログを読んでいる保護者の方には、

是非「かわいい子には旅をさせよ」という気持ちで、

不登校に限らず、子ども自身にやる気があれば

近場でもいいですので、１人でお出かけをさせてみてください。

きっと１人で乗る電車やバス、

そして一人で見る景色は、いつもとは違ったものだと思います。

そして今は１人で旅には出かけられないという子どもたち若者たちの皆さんは、

高校生や大学生になった時に、このブログが頭の片隅に残っていたら、

是非、一人旅をしてみてください。

１人だからこそ、見える世界があります。

自分のペースで自分の好きなところに行き、好きなものを食べながら、

自分と向き合うことが出来ます。

今回のブログは、少しふわふわした内容でもありましたが、

私の中ではとても大切な想いの１つですので、

誰かの気持ちに届いたら嬉しいです。

今回もお読みいただき、ありがとうございました°˖✧