学校に行かないことで起きること①不登校の現実と実態

query_builder 2021/09/05
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滝野川高等学院教務 足名笙花

はじめに

こんにちは。いつもの足名です。

今回のブログは、

自身が不登校となった中学1年生~3年生の3年間の出来事に合わせて、

大学3年生から現在に至るまで関わっているフリースクールでの出来事、

そして現在大学院にて不登校について研究する中で気づいたことから、

「学校に行かない」という選択をすることで起こりうる事柄について、

不登校の当事者という立場、

不登校の支援者という立場、

不登校に関わる研究者としての立場という

3つの視点から2部制でブログを書いていきたいと思います。

  • 【目次】〈今回〉
  • はじめに
  • 「学校に行かない」という選択を行うことによって起こりうるメリット
  • 「学校に行かない」という選択を行うことによって起こりうるデメリット
  • 〈次回〉
  • 不登校を取り巻く現状 ‐教育機会確保法とフリースクール‐
  • 保護者の方必見‼まずは知っておこう‼ ‐不登校の7段階‐
  • おわりに
「学校に行かない」という選択を行うことによって起こりうるメリット

まず「学校に行かない」という選択を行うことで起こりうるメリットは

大体以下の通りです。

・心と体の休息が図れる

・保護者に、自分の悩みや苦しみを理解してもらう機会をつくれやすい

一見すると「メリットはたった2つだけ??」と思われる方もいるかもしれませんが、

この2つは不登校の子どもたちや若者たちにとって大切な2つです。

なぜなら小学生・中学生の多くは自分の意思を伝えられる歳ではありますが、自分の悩みや苦しみを保護者に伝えることが上手な人ばかりではないからです。ましてや「学校に行きたくない」という意思表明は子どもたちにとってハードルが高く、

「自分が学校に行きたくないなんて言ったら両親はどう思うだろう…」と、両親の悲しむ姿を想像し、また自分が学校に行けないと言うことに対する罪悪感から、ギリギリまで両親に自分の気持ちを伝えることを我慢する子どもたちもたくさんいます。

実際、私は中学1年生の夏~秋にかけて不登校となりましたが、「学校に行きたくない」と両親に言うまで、とても時間がかかりました。そして私の場合、不登校になりかけの頃は父親と何度も口論となり、家を追い出されたこともありました。

つまり不登校となるにも、

当事者の強い意志表明と保護者の一定の理解が必要なのです。

ひと月ほどで両親にも私の意志が通じたのか、自分が学校に行かないことについて責められるようなことはあまり無くなり、一定期間私には心の休息期間が生まれましたが、不登校になるまでにたくさん傷ついて、学校に行きづらくなってしまったのにも関わらず、両親との対立によっても、大きな胸の傷を負いました。

しかし、私の中ではそれでも学校に行くことが苦痛で苦痛で仕方がなかったため、「学校に行かない」という選択をしたことで、辛かった先生との関係や友人との人間関係から離れることが出来たことはひとまず良かったです。

このため、当事者の立場から言いたいこととしては、

子どもが「学校に行きたくない」といった際は

頭ごなしに「学校に行け」「それは許さない」などといった発言を行うのではなく、

どうしてそう思うようになったのか?原因は何なのか?聞ける範囲で子どもの話や気持ちに寄り添い、学校の先生とも連携をとりつつ、まずは子どもの意思を尊重してあげることが大切になってきます。

そして、支援者の立場として学校に行かなくなった、行けなくなった期間、学校の先生や保護者の方、支援者の方々にしてほしいことは、

本人が「何もしない」ことを認め、

本人が前を向くまで、本人が何らかの形で動くようになるまで、

「ゆっくりさせてあげる」ということです。

「なんで学校に行かないの?」

「学校においでよ」

といった声掛けは、子どもにプレッシャーとストレスを与えるだけで、

根本的な問題解決にはならず、

むしろ子どもの心身の状態を悪化させることに繋がります。

このため、家や支援施設などは、

子どもに安心できる居場所であることを示すことが求められます。


そして子どものしたいようにさせてあげること。何より子どもの些細な言動や表情に目を配り、本人に寄り添い、子どもの話を傾聴してあげることが求められます。

こうすることで、一旦子どもたちは学校から離れ、心の休息を行うことが出来ます。

…しかし私の経験上もそうですが、それから数か月経つと、

家に引きこもることで起こるあらゆる問題が待ち受けていました。

「学校に行かない」という選択を行うことによって起こりうるデメリット

 具体的には以下の通りです。

・昼夜逆転〈起立性調節障害〉

・生活リズムの乱れ〈食生活・体重の増減〉

・勉強の遅れ 

・自己肯定感の低下

・保護者や祖父母との対立

・その他 うつ病等の発症

まず私の場合、人間関係も含めて、学校という場所が辛くて不登校になったわけではありますが、中学生らしい生活も送りたいと考えていました。

そのため学校に行かずに家に引きこもることで、同級生たちのSNSやタイムラインを見ることがとても辛くなり、「私も青春がしたいのにできない」という誰に対するでもない嫉妬と「学校に行けない」自分に対する嫌悪によって、どんどん自己肯定感が下がっていきました。

また生活リズム、特に昼夜逆転生活や食生活の乱れの悪化により、体重が一気に増えてしまったり、家から出ない生活が続いたことで、体力が著しく低下してしまったり、これらの生活リズムの乱れによって、頭痛や腹痛が起きやすくなったりと、心だけでなく体にも不調が起こるようになりました。

また私の場合もそうですが、不登校について保護者が一定の理解を示したとしても、

保護者や祖父母との対立は、不登校である限りずっと続いていくことになります。

なぜなら「不登校」という言葉が世間的に広まってきたのは、ここ10年の話で、両親や祖父母が小学生や中学生の頃は、まだまだ不登校というものが身近なものではなく、不登校に対する理解が少ないためです。

このため祖父母が父母を攻撃してしまい、そのストレスで父母が当事者である本人にキツくあたってしまうことも、しばしば聞かれることです。

このため、まずは不登校とはどんな状態なのか?不登校の間の生活など、おじいちゃんおばあちゃんにとっては未知の世界でもあるため、

1からデータをもとに説明してあげることで、祖父母VS両親、祖父母VS子ども

といった衝突を避けることにも繋がります。

次に、フリースクールの専任スタッフとなり気づいたことの1つに

不登校になったら、多くの子どもは自主的には勉強しない。

ということに気づかされました。

といいますか、不登校に限らず、

子どもが自主的に勉強することってあまりないですよね。

自分自身も不登校になった際は、勉強が嫌で不登校になったわけではありませんでしたが、不登校となると勉強を必ずしもしなくてはならない環境に置かれなくなるため、どんどんと勉強から遠ざかってしまい、同級生と比べてどんどん勉強が遅れていきました。

これはフリースクールのスタッフとなってから特に気づいたことなのですが、

小学生や中学生の段階では 勉強<遊び であり、

なぜ勉強するのか?将来のためとは何のためなのか?が分からず、

高校生頃になると、自分の行きたい大学や自分の就きたい仕事のために勉強したり、ある科目が大好きになり、その科目に特化した勉強をしたりと、勉強の意味や勉強の楽しさに気づき、自ら勉強するようになる場合がありますが、

小中学生の段階ではそのような考えに至りづらく、学校のように勉強が目の前にある環境から離れてしまうと、自主的に勉強する子どもは少なくなってしまいます。

しかし義務教育期間の勉強をないがしろにしてしまうと、簡単な計算や読み書きに影響が出てしまい、単なる座学以外の部分でも問題が生じます。

文部科学省が過去に行なった、

中学校卒業段階で不登校だった子どもたちの追跡調査の結果は以下の通りです。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1349956.htm

勉強の遅れだけがこの結果に直結しているわけではありませんが、

勉強の遅れが進学や就職に影響しているのは事実であり、

小学生や中学生の段階の基礎的な勉強が大切なことは明らかです。

このためフリースクールや適応指導教室、そして家庭での勉強はとても大切なことであり、子どもたちの未来のために、子どもたちが将来自分が不登校だったことで、やりたいことが出来ないといったことが起こらないように、

支援側は慎重に、そして毅然とした態度で、子どもたちに勉強する意味と、勉強がもたらす様々な影響について子どもたちに伝えてあげてください。

そして小学生の場合はあまり考えることは無いと思いますが、中学生の不登校の場合、高校進学の際、出席日数や内申点の問題で通える学校が一気に減ります。

そして通える学校が、私立高校、定時制高校、通信制高校など限られた選択肢から選ぶことを余儀なくされ、そのまま高校→進学、高校→就職とはなりづらく、高校を卒業すること自体に大きな課題を持つ子どもたちが一定数生まれます。

そして高校を無事卒業できたとしても、進学も就職もままならず、進路未決定のまま、社会に出ることになり、特定の職種に就くことが出来ず、年月が経ってしまう人や、そもそも家から出ることが出来ず、ひきこもりのような形になってしまう子どもたちが、内閣府のデータでも明らかとなっています。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1349956.htm

このような先の問題を考えなくとも、小学生や中学生段階の勉強を理解できない事で、勉強以外の事柄でも問題が出てきます。

例えば、コミュニケーション能力や継続力、多動の悪化、判断力、過度の諦め、自己肯定感の低下、体力の低下など、勉強とは直接関係がないものの、学校に行かないということで、勉強の遅れだけでなく、学校で自然と身につく行動1つ1つが身につかないという問題も生じるのです。

このためこれらの力が身につかないまま大人になると、勉強以外の部分でも子どもたちは苦労することになるうえ、社会復帰を志したとしても、勉強はもちろんその他の部分で大きな壁にさいなまれ、社会復帰する機会を逃してしまうことにも繋がります。

このような理由から、フリースクールのスタッフや職員は安易に「学校に行かなくていいよ」とは言いません。そして保護者も学校に行かないことで何が起こるか、起こりうるか理解しているため、学校に行かせようとするのです。

しかし学校が子どもにとって安心できる場でないのならば、子どもが安心して勉強し、遊べる場を提供しなくてはなりません。

…ということで「学校に行かないことで起きること①」はここまでです。

次回はこの、「学校以外に子どもたちが安心して勉強や遊びが出来る居場所」の現状と課題を「教育機会確保法」の中身に触れながら書きつつ、不登校の7段階についても言及していきたいと思います。

ではまた次回‼

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